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ブログ副業の申請要否は立場によって異なります。民間会社員は勤務先の規程、国家公務員は事前承認、地方公務員は地方公務員法第38条と所属自治体の規則を確認するのが原則です。
2026年4月1日には、国家公務員の自営兼業制度が見直されました。ただし、ブログ副業を無条件で行えるようになったわけではなく、知識・技能を生かす事業などが新たに承認対象へ加わった制度変更です。人事院+1
立場ごとの結論を先に整理します。
立場 ブログ副業の基本ルール 最初に確認するもの
民間会社員 法律上の一律申請義務はなく、勤務先の規程による 就業規則、雇用契約、誓約書
国家公務員 自営兼業に当たる場合は原則として事前承認が必要 人事院規則、所属府省の担当部署
地方公務員 地方公務員法第38条と自治体の許可基準による 条例、規則、人事担当部署
重要なのは、ブログを開設しただけで必ず申請が必要になるわけではない一方、収益が0円なら必ず申請不要とも限らないことです。
法律上の原則、勤務先独自の規程、実務上の安全策を分けて判断する必要があります。
ブログ副業の申請は必要?会社員・公務員別の結論
民間企業の会社員全員に対して、「ブログを始める前に会社へ申請しなければならない」と一律に定めた法律はありません。
実際の申請要否は、勤務先が定める就業規則、雇用契約、秘密保持誓約書、副業規程などで決まります。
一方、国家公務員と地方公務員には、民間会社員とは異なる法令上の制限があります。
民間会社員は勤務先の就業規則で決まる
民間会社員の場合、まず確認するのは勤務先の制度が次のどれに該当するかです。
- 事前の承認を求める「許可制」
- 活動内容の報告を求める「届出制」
- 一定条件の範囲で認める「原則自由」
- 就業規則上、副業制度が明確に定められていない
許可制であれば、原則として承認を受けてから活動を始めます。
届出制であれば、会社所定の書式で活動内容や作業時間などを報告します。ただし、届出書を出せば、競業や情報漏えいを含む活動まで無条件で認められるわけではありません。
原則自由の会社でも、勤務時間中の作業、秘密情報の使用、会社と競合する事業、会社の信用を損なう発信などは制限される可能性があります。
就業規則では「副業」という単語だけでなく、次の言葉も確認してください。
- 兼業
- 社外活動
- 自営または自営業
- 個人事業
- 営利活動
- 服務規律
- 秘密保持
- 競業避止
- 情報セキュリティ
- 会社設備の私的利用
ブログ運営が対象になるか分からない場合は、規程の文言だけで自己判断せず、人事部や総務部へ確認するのが確実です。
国家公務員は自営兼業に当たるかを確認する
国家公務員は、営利企業の役員兼業や自営兼業などについて、国家公務員法や人事院規則に基づく制限を受けます。
広告収入を得るブログ、有料コンテンツを継続販売するサイト、相談や制作業務を受注するメディアなどは、活動実態によって自営兼業に該当する可能性があります。
2026年4月1日に施行された制度見直し後も、本人が「社会に役立つ情報発信だ」と考えるだけで自由に始められるわけではありません。
所属府省の担当部署へ活動計画を示し、必要な承認を受けることが前提です。
地方公務員は地方公務員法第38条が基本になる
地方公務員については、地方公務員法第38条が基本です。
同条では、任命権者の許可を受けなければ、営利企業の役員等を兼ねたり、自ら営利企業を営んだり、報酬を得て事業または事務に従事したりしてはならない旨が定められています。e-Gov 法令検索
ただし、具体的な許可基準や申請書式は自治体によって異なります。
地方公務員が収益化ブログを始める場合は、「国家公務員の制度が変わったから自分も可能」と判断せず、所属自治体の条例、規則、服務規程を確認してください。
会社員のブログ副業はいつから申請対象になる?
ブログを副業として申請する時期は、すべての会社で共通しているわけではありません。
確定事項は、勤務先の規程で申請対象とされた活動を始めるなら、その規程が定める時期までに手続きが必要ということです。
ASPへの登録や広告審査への申請だけで、法律上一律に「副業開始」と決まるわけではありません。
ただし、会社の規程に「営利を目的とする活動」「自ら事業を営む場合」「収入を得る目的で継続的な活動を行う場合」などと書かれていれば、初収益より前に申請対象となる可能性があります。
申請時期は4段階で整理する
ブログ運営は、次の4段階に分けると判断しやすくなります。
段階 主な行動 申請上の考え方
1.開設 趣味としてブログを作る 直ちに副業とは限らない
2.収益化準備 ASP登録、広告審査、販売準備 規程上の営利活動に当たるか確認する
3.広告・販売開始 広告掲載、有料商品の公開 収入を得られる状態となるため、事前申請が必要な場合がある
4.収益発生 報酬や売上が発生する 営利性がより明確になる
第1段階では、広告を掲載せず、仕事の受注や商品販売も行わない個人的な情報発信であれば、私生活上の活動として扱われることがあります。
第2段階では、まだ収益が発生していなくても、収益化を目的とする具体的な準備が始まっています。ただし、この時点で申請義務が生じるかは勤務先の規程次第です。
第3段階では、成果報酬型広告や広告配信を掲載し、収益を得られる状態になります。会社が「営利活動の開始」を基準にしている場合は、この段階より前の手続きが必要です。
第4段階まで申請を遅らせてよいとは限りません。「まだ振り込まれていない」という理由だけで、収益化したブログが申請対象外になるわけではないからです。
法律上の原則と安全策を混同しない
ここでは、3つの判断を分ける必要があります。
法律上の原則
民間会社員のブログ運営に、一律の事前申請義務を定めた法律はありません。
勤務先規程による判断
許可制や届出制を採用し、自営業や営利活動を対象としている会社では、規程に従った手続きが必要です。
筆者が推奨する安全策
収益化を予定しているなら、第2段階に入る前に規程を確認し、第3段階の広告掲載や販売開始までに必要な手続きを済ませる方法が実務的です。
これは「ASPへ登録した瞬間に法律上の副業になる」という意味ではありません。
売上の発生日は外部要因で変わりますが、広告の掲載日や商品の販売開始日は自分で管理できます。申請時期の認識違いを防ぐには、管理できる行動を基準に準備する方が合理的です。
人事・総務への確認文例
規程を読んでも判断できない場合は、次のように確認できます。
「個人で情報発信サイトを運営しています。今後、成果報酬型広告または広告配信サービスを利用して収入を得る可能性があります。この活動は、当社の副業届または許可申請の対象に該当しますか」
まだ広告を掲載していない場合は、その点も明記します。
「現在は広告を掲載しておらず、収益も発生していません。収益化を開始する前に必要な手続きを確認したいと考えています」
会社が確認したいのは、記事本数やデザインの好みではありません。
主な確認事項は次のとおりです。
- 本業の勤務時間と重ならないか
- 勤務先の情報を使用しないか
- 会社と競合する活動ではないか
- 会社の設備やアカウントを使わないか
- 健康や本業の成果に影響しないか
- 会社の信用を損なう発信ではないか
規程が曖昧なまま収益化を進めるより、文面で確認して回答を保存しておく方が、後の認識違いを減らせます。
2026年の国家公務員の自営兼業制度は何が変わった?
2026年4月1日、国家公務員の自営兼業制度が見直されました。
人事院は2025年12月19日、従来の承認対象に加え、「職員の有する知識・技能をいかした事業」と「社会貢献に資する事業」についても承認可能にすると発表しました。人事院+1
ニュースの核心は、公務員の副業が全面的に自由化されたことではありません。
これまでよりも幅広い自営活動について、一定の基準を満たせば承認を検討できるようになったことです。
従来制度と2026年制度の違い
国家公務員の自営兼業は、従来から不動産賃貸や太陽光発電など、一定の基準に沿った活動が承認対象とされてきました。
2026年の見直しでは、自己の知識や技能を生かす事業と、社会貢献に資する事業という新たな類型が追加されています。
比較項目 従来の主な枠組み 2026年4月1日以降
主な承認対象 不動産賃貸、太陽光発電など一定の自営 従来類型に加えて新類型を追加
新たな類型 明確な枠組みなし 知識・技能を生かした事業
新たな類型 明確な枠組みなし 社会貢献に資する事業
手続き 所属先での承認が必要 引き続き事前承認が必要
判断の中心 公務への支障や利害関係など 公務への支障等に加え、新類型の要件を確認
自由化か いいえ いいえ
たとえば、職務とは切り離された個人の専門知識を生かして、教育、執筆、制作、地域支援などを事業として行う場合、新制度の承認対象として検討される余地があります。
ただし、「ブログ」という媒体名だけで承認可否が決まるわけではありません。
どのような情報を発信し、誰に対して、どのような方法で収益を得るのかという活動実態が審査されます。
国家公務員のブログ副業で確認される承認基準
人事院の制度では、職員の知識・技能を生かした事業または社会貢献に資する事業について、承認期間を2年以内とする運用が示されています。人事院
実際の承認では、少なくとも次のような点が重要になります。
- 公務の公正な遂行を損なわないか
- 職務上の利害関係者との関係が生じないか
- 本来の職務に支障を与えないか
- 職務上知り得た秘密を使用しないか
- 公務員としての信用や品位を損なわないか
- 活動時間や業務量が適切か
- 営利活動の内容が具体的に説明されているか
ブログの場合、記事のテーマだけでなく、広告主、紹介商品、相談サービスの対象者なども利害関係の判断材料になり得ます。
たとえば、担当業務と密接に関係する事業者の商品を紹介して報酬を受け取る活動は、公務の公正性に疑念を持たれる可能性があります。
職務上の専門知識を生かす場合も、公開情報と職務上の非公開情報を厳格に分けなければなりません。
承認されない可能性が高い活動
次のような活動は、2026年の新制度でも承認が難しいと考えられます。
- 本業の勤務時間と重なるブログ運営
- 職務上の利害関係者から報酬を得る活動
- 行政内部の非公開情報を利用する記事
- 公務員としての立場を営業上の信用に利用する行為
- 本来の職務に支障が出るほど長時間の活動
- 公務の中立性や信用を損なう発信
- 承認内容と実際の事業内容が大きく異なる運営
- 名義上は家族の事業でも、本人が実質的に運営する活動
「匿名なら分からない」「少額なら問題にならない」という考え方は適切ではありません。
承認制度が確認するのは、公開名や収益額だけではなく、公務への支障、利害関係、情報管理、信用への影響だからです。
国家公務員が申請する際の流れ
所属府省によって書式や手続きは異なりますが、一般的には次の順番で準備します。
1. 所属府省の兼業規程と申請書式を確認する
2. ブログのテーマ、対象読者、収益方法を整理する
3. 職務との利害関係や情報利用の有無を確認する
4. 作業時間、場所、使用設備を明記する
5. 収入の見込みと契約関係を説明する
6. 所属部署へ申請し、承認前に活動を開始しない
7. 承認期間や付された条件を管理する
8. 活動内容が変わる場合は再確認する
広告掲載だけでなく、有料記事の販売、電子書籍、講座、相談、制作受注などへ事業を広げる場合は、当初の承認範囲に含まれているか確認が必要です。
筆者としては、今回の制度変更で最も重要なのは、「できる副業が増えた」という結果だけでなく、自分の活動を審査可能な形で説明する必要性が高まったことだと考えます。
曖昧な活動計画では、所属先も公務への影響を判断できません。ブログの目的、収益構造、対象者、作業時間を言語化することが、承認申請の出発点になります。

ブログ副業の申請書には何を書く?
ブログ副業の申請書には、会社や所属先がリスクを判断できる情報を簡潔に記載します。
「ブログを運営します」だけでは、活動内容、勤務先との競合、本業への影響が分かりません。
一般的に整理しておきたい項目は次のとおりです。
- 活動内容
- 開始予定日
- ブログのテーマ
- 想定読者
- 収益の仕組み
- 作業する曜日と時間
- 作業場所
- 使用する端末や回線
- 収入の見込み
- 勤務先との競業関係
- 秘密保持への対応
- 健康管理の方法
申請書の記載例
活動内容
個人で情報発信ウェブサイトを運営し、自ら作成した記事を公開します。成果報酬型広告および広告配信サービスによって収入を得る予定です。
作業時間
平日の勤務終了後および休日に、週5時間程度作業します。勤務時間中には記事作成、更新、アクセス確認などを行いません。
作業環境
自宅で私物のパソコンと個人契約のインターネット回線を使用します。会社の端末、ネットワーク、メールアドレス、アカウント、契約ツールは使用しません。
収入の仕組み
記事内で商品またはサービスを紹介し、所定の条件を満たした場合に広告事業者から報酬を受け取ります。収入額は閲覧数や成果件数によって変動するため、現時点では未定です。
競業・秘密保持
勤務先の顧客情報、営業情報、技術情報、社内資料、未公開情報は使用しません。勤務先と直接競合する商品またはサービスの販売は行いません。
健康管理
睡眠時間を確保し、本業に支障が生じない範囲で作業します。本業への影響が確認された場合は、更新頻度と作業時間を見直します。
収益額が分からない場合は、「未定」「成果件数により変動」と正直に書けば十分です。
承認を得るために根拠のない少額を記載すると、実際の収益が増えたときに、虚偽説明や重要事項の未報告と受け取られるおそれがあります。
競業性は3つの重なりで判断する
ブログと勤務先の競業性は、単に「同じ業界を扱っているか」だけでは判断できません。
次の3つに分けて整理すると説明しやすくなります。
1. 顧客が重なるか
勤務先と同じ取引先や見込み客へ、個人として営業する場合は競業性が高くなります。
一方、勤務先が法人向け事業、ブログが一般消費者向けの基礎解説というように、対象者が異なる場合は、その違いを説明できます。
1. 商品やサービスが重なるか
勤務先と同じ商品やサービスを個人で販売する場合は、直接的な競合になりやすいでしょう。
一般的な業界知識を解説することと、勤務先と同じ商流で顧客を獲得することは分けて考える必要があります。
1. 情報資産が重なるか
顧客名簿、営業データ、社内マニュアル、未公開資料、会社独自のノウハウを利用すれば、競業だけでなく秘密保持上の問題も生じます。
会社で経験した事実を扱う場合も、それが公開可能な個人経験なのか、守秘義務の対象となる情報なのかを確認しなければなりません。
ウェブマーケティングの実務で情報発信設計を確認する際も、テーマ名より先に見るべきなのは、この「顧客・商品・情報資産」の重なりです。
ブログ名を変えても、この3つが重なっていればリスクは残ります。反対に、境界を明確に説明できれば、会社側も活動を具体的に判断しやすくなります。
ブログ副業が認められない主なケースは?
副業を認めている会社でも、すべてのブログ運営が承認されるわけではありません。
厚生労働省のモデル就業規則では、勤務時間外に他の会社等の業務へ従事できることを基本としながら、次の事情がある場合には禁止または制限できる考え方が示されています。
- 労務提供上の支障がある場合
- 企業秘密が漏えいする場合
- 会社の名誉や信用を損なう場合
- 競業によって会社の利益を害する場合
厚生労働省は2018年1月のモデル就業規則改定で、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という趣旨の規定を削除し、副業・兼業に関する規定を新設しました。厚生労働省
ただし、モデル就業規則は法律ではなく、各企業が就業規則を作る際の参考例です。
2025年3月31日改定版の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレットも公開されていますが、自分の会社が同じ制度を採用しているとは限りません。厚生労働省+1
また、厚生労働省の副業・兼業ページではモデル規定が第68条として案内されている一方、令和7年12月版のモデル就業規則では改訂により条番号が異なります。
条番号だけを引用せず、「資料名」「改訂年月」「規定内容」を合わせて確認してください。厚生労働省
勤務時間中にブログを運営する
勤務時間中に私用ブログの記事を書いたり、アクセス解析を確認したりすれば、本業として求められる労務提供に支障があると判断される可能性があります。
次の行動は避けるべきです。
- 会社のパソコンでブログへログインする
- 社内ネットワークから記事を更新する
- 勤務時間中に広告管理画面を確認する
- 会社のメールアドレスで広告サービスへ登録する
- 会社契約の生成AIや有料ツールを使う
- 社内資料を私物端末へ転送する
昼休みなどの休憩時間は、一般に労働者が自由に利用できる時間です。
ただし、会社のパソコン、ネットワーク、会議室などを私用してよいかは別問題です。作業時間だけでなく、端末、回線、アカウント、データも分離してください。
本業に支障が出るほど長時間作業する
ブログは作業時間を自由に決められるため、終了時刻を定めなければ深夜まで作業が続きやすい副業です。
睡眠不足による遅刻、欠勤、判断力の低下、業務成績の悪化が生じれば、会社が活動を制限する理由になり得ます。
副業申請では「週5時間」と記載しながら、実際には毎日深夜まで作業している場合、申請内容と実態の差も問題になります。
記事数だけを目標にせず、次の上限を決めてください。
- 平日の作業は1日60分程度まで
- 就寝前には作業終了時刻を設ける
- 本業の繁忙期は更新頻度を落とす
- 週単位で作業時間を記録する
- 月に一度、本業への影響を確認する
勤務先の秘密情報を記事に使う
会社で知った情報が事実であっても、個人が公開する権限を持っているとは限りません。
特に注意すべき情報は次のとおりです。
- 顧客名や取引条件
- 社内の売上データ
- 未発表の商品やサービス
- 業務マニュアル
- 社内システムの画面
- 会議資料や人事情報
- 取引先との非公開のやり取り
- 会社独自の分析データ
会社名を伏せても、地域、業種、役職、取引内容などを組み合わせることで、勤務先や顧客が特定される場合があります。
E-E-A-Tを高めるために実務経験を書くことと、秘密情報を公開することは別です。
専門性は、自分で行った検証、公開データの分析、一般化した知識、個人の作業手順などでも示せます。
会社と競合する商品を販売する
勤務先と同じ顧客へ同種の商品を販売したり、勤務先の取引先へ個人的に営業したりする活動は、競業上の問題になりやすいでしょう。
ブログが集客媒体であっても、その先で販売する商品やサービスが勤務先と重なれば、直接競合になる可能性があります。
申請時には、次の内容を分けて説明してください。
- ブログで扱うテーマ
- 想定読者
- 紹介する商品
- 自分で販売するサービス
- 勤務先の顧客との重複
- 会社情報を使用しないこと
会社の名前や肩書を集客に利用する
プロフィールに勤務先の実名や肩書を掲載すると、読者が会社の公式見解や会社公認のサービスだと誤認するおそれがあります。
次の情報にも注意が必要です。
- 社員証やオフィスの写真
- 勤務先を特定できる経歴
- 社内行事の詳しい内容
- 同僚しか知らない出来事
- 会社と同じSNS画像やユーザー名
- 会社の取引実績を自分の実績として示す表現
匿名運営であっても、就業規則上の申請義務がなくなるわけではありません。
匿名化は公開範囲を管理する手段であり、会社との契約上の義務を消す仕組みではないからです。

申請しなかった場合はどうなる?
副業申請をしなかったからといって、直ちに解雇が有効になるとは限りません。
処分の妥当性は、就業規則の内容、違反の程度、本業への支障、秘密漏えい、競業、会社への損害、本人の説明状況などを踏まえて個別に判断されます。
主な確認事項は次のとおりです。
- 申請義務が規程に明記されていたか
- 従業員へ規程が周知されていたか
- 本業への具体的な支障があったか
- 会社の情報や設備を使用したか
- 勤務先と競合する行為があったか
- 会社や取引先へ損害を与えたか
- 注意後も活動を隠して継続したか
- 会社への説明に虚偽があったか
申請を忘れていたものの、本業への影響や競業がなく、指摘後すぐに手続きをした場合と、会社の顧客情報を使って競合サービスを販売していた場合では、問題の重さが異なります。
未申請が判明したときに避けるべきなのは、事実と異なる説明を重ねることです。
次の内容を整理し、人事担当者へ相談してください。
- ブログを開設した日
- 収益化を始めた日
- 広告掲載や販売の内容
- 発生した収入
- 作業時間と作業場所
- 使用した端末やアカウント
- 会社情報を使用したか
- 勤務先との競合性
規程の解釈や処分に疑問がある場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナー、労働組合、社会保険労務士、弁護士などへの相談を検討します。
税金の申告と会社への副業申請は別?
会社への副業申請と、税務署への確定申告は別の手続きです。
会社から副業を承認されても、税務申告が不要になるわけではありません。反対に、会社への申請が不要でも、所得額や申告状況によって税務上の手続きが必要になります。
一定の給与所得者は、給与所得と退職所得以外の所得金額が年間20万円を超える場合、原則として所得税の確定申告が必要です。
基準になるのは売上ではなく所得です。
ブログ所得=ブログ収入-必要経費
たとえば、年間のブログ収入が30万円、必要経費が12万円なら、所得は18万円です。
ただし、医療費控除など別の理由で確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告する必要があります。
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になることがあります。居住する市区町村の案内を確認してください。
また、ブログ収入が事業所得になるか雑所得になるかは、開業届の提出だけで自動的に決まるものではありません。
活動の規模、継続性、営利性、帳簿書類の保存状況、社会通念上の事業性などを踏まえて判断されます。国税庁は2022年10月7日、雑所得の範囲を明確化する所得税基本通達の改正と解説を公表しています。国税庁+1
ブログ副業の申請段階では、次の3点を押さえてください。
- 会社への申請と税務申告は別である
- 20万円の基準は売上ではなく所得で考える
- 収入と必要経費の記録を開始時から残す
税務上の扱いは個別事情で異なるため、不明な場合は税務署または税理士へ確認する必要があります。
ブログ副業の申請をどう考えるべきか
私見では、副業申請の本質は、会社に活動を知られない方法を探すことではありません。
本業とブログ運営の境界を、第三者へ説明できる状態にすることです。
活動内容を書けない、作業時間を決められない、会社の情報がなければ記事を作れないという状態なら、申請書以前にブログの運営設計を見直す必要があります。
反対に、次の条件を満たすブログは、勤務先にも説明しやすくなります。
- 私物の端末と個人契約の回線で運営する
- 勤務時間外だけに作業する
- 会社の顧客や秘密情報を利用しない
- 勤務先と直接競合しない収益方法を選ぶ
- 睡眠時間と本業の成果を維持する
- 収入と経費を継続して記録する
- 公開前に情報漏えいの有無を確認する
収益額より運営リスクを見る
ブログ副業の安全性は、月収だけでは判断できません。
月500円の収益でも、会社の未公開資料を使っていれば重大な問題です。
一方、収益が増えても、社内規程に従い、会社から独立した設備と情報で運営しているのであれば、金額だけで直ちに禁止理由になるとは限りません。
管理すべき指標は次のとおりです。
- 週のブログ作業時間
- 平均睡眠時間
- 遅刻や欠勤の有無
- 本業の業務品質
- 会社と重なる顧客や商品の有無
- 秘密情報を含む記事の有無
- 使用した端末とアカウント
- ブログの収入と必要経費
会社側が確認したいのは、売上の大小だけではありません。
労務、情報、競業、信用のリスクを本人が管理できているかが重要です。
副業申請はブログ設計の検査表になる
副業申請書には、対象読者、収益方法、作業時間、情報管理などを書きます。
これは単なる事務手続きではなく、ブログの事業計画を点検する作業でもあります。
たとえば、平日4時間、休日8時間の作業を続けなければ成立しない計画は、会社員が長期的に継続する設計として無理があります。
勤務先の顧客情報や肩書がなければ集客できないブログも、個人事業としての独立性が不足しています。
会社へ説明しやすいブログは、情報源、設備、作業時間、顧客獲得の経路が勤務先から分離されています。
この独立性は、申請を通すためだけでなく、ブログを長く運営するうえでも重要です。
今後は「副業可否」より管理方法が問われる
厚生労働省は2018年以降、すべての副業を一律に禁止する考え方ではなく、本業への支障や情報漏えいなどの条件を整理して管理する方向を示してきました。
国家公務員についても、2026年4月1日から知識・技能を生かした事業や社会貢献に資する事業が承認可能な類型へ追加されました。
これらの動きから、今後は「副業を禁止するか、完全に自由化するか」という二択ではなく、活動内容を共有してリスクを管理する制度が重視されると考えられます。
副業を行う側にも説明責任があります。
勤務先の時間、設備、情報、顧客、信用を使わず、個人の時間と資金で独立して運営できることが、ブログ副業を継続する基本条件です。
まとめ
ブログ副業について、民間会社員全員に共通する法律上の申請義務はありません。
ただし、勤務先の就業規則や副業規程が許可制または届出制を採用し、ブログ運営が対象となる場合は、定められた手続きが必要です。
収益化を目的とする活動を始めただけで、すべての会社員に申請義務が確定するわけではありません。一方、収益が0円であっても、勤務先が営利活動の事前申請を求めていれば対象になる可能性があります。
国家公務員については、2026年4月1日から知識・技能を生かした事業と社会貢献に資する事業が新たに承認可能となりました。ただし、無条件の自由化ではなく、所属先による事前承認が前提です。
地方公務員は、地方公務員法第38条と所属自治体の許可基準を確認する必要があります。
申請書には、活動内容、収益方法、作業時間、競業関係、秘密保持、使用設備を具体的に記載してください。
最も実務的な進め方は、収益化準備を始める前に規程を読み、広告掲載や販売を開始する前までに人事・総務へ申請要否を確認することです。
よくある質問
収益が0円でもブログ副業の申請は必要ですか?
勤務先の規程によります。
収益が0円であることだけでは、申請不要とは断定できません。「営利目的の活動」や「自営」を事前申請の対象としている会社では、広告掲載前の手続きが必要になる場合があります。
ASPへ登録した時点で副業になりますか?
法律上一律に、ASPへ登録した瞬間から副業になると決まっているわけではありません。
ただし、収益化を目的とする準備が具体化するため、勤務先の規程で営利活動や自営業が対象になっている場合は、申請要否を確認してください。
匿名ブログなら申請しなくてもよいですか?
匿名か実名かは、申請義務を決める基準ではありません。
匿名運営でも、勤務先の就業規則でブログ運営が申請対象となる場合は手続きが必要です。
2026年から国家公務員はブログ副業を自由にできますか?
自由化ではありません。
2026年4月1日から承認可能な自営兼業の類型が広がりましたが、職務への支障、利害関係、秘密保持、信用などの基準を満たし、所属先の承認を受ける必要があります。
地方公務員にも2026年の国家公務員制度が適用されますか?
国家公務員の制度が、そのまま地方公務員へ適用されるわけではありません。
地方公務員は地方公務員法第38条を基本として、所属自治体の条例、規則、許可基準に従います。
ブログ副業を申請しなければ解雇されますか?
未申請だけで、必ず解雇が有効になるわけではありません。
規程の内容、本業への支障、秘密漏えい、競業、会社への損害、本人の説明などを踏まえて個別に判断されます。
参照情報と記事の位置付け
この記事は、厚生労働省「副業・兼業」、同省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット令和7年3月31日改定版、厚生労働省「モデル就業規則」令和7年12月版、人事院「自営兼業制度の見直しについて」2025年12月19日発表、人事院規則14―8の運用通知、地方公務員法第38条、国税庁の所得税基本通達改正資料を2026年7月26日時点で確認し、一般向けに整理したものです。厚生労働省+4厚生労働省+4人事院+4
筆者は長年ウェブマーケティングの実務に携わり、SEO、広告収益の仕組み、会社員が限られた時間で行う情報発信の設計について、公開資料と数値に基づく調査・分析を行っています。
本記事は、社会保険労務士、税理士または弁護士による個別監修を受けた法律・税務相談ではありません。勤務先の規程、職種、活動内容によって判断が異なるため、正式な判断は所属先の担当部署または資格を持つ専門家へ確認してください。
関連する内容はこちらでも詳しく紹介しています。
👉 会社員向けブログ副業の進め方を見る
黒木智也
ウェブマーケター


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